その①
連合大阪時代のトピックスその1:私の場合は警察ではなく、あろうことか、連合大阪という労働組合の民主主義?の職場で、私の自著「正義の労働運動ふたたび」(2007版、労働ペンクラブ賞受賞)の出版に際して、職権で「事前検閲」(憲法21条で禁止されている)が強行されました。当時の上司は伊東文生会長(パナソニック)・脇本ちよみ事務局長(大阪教組)の違法行為でした。この出版妨害事件他四件をまとめた「連合大阪訴訟」を提起しました。彼らの所業は所属会社の利益や自らの地位・名誉を守るための不埒な動機でした。訴訟記録等は私のブログ(http://kanamehiroaki.com)に搭載してますのでご閲覧あれ。・・・なお本題に戻って、本投稿記事中、プラカードを掲げた女性でまだ裁判を起こしていない方が知人の山口たかさんです。近々に裁判参加されるようです。その後安倍・岸田首相の襲撃事件が連発しましたが、最高裁では「ヤジ」「プラカード」側が必ず勝利するでしょう。蛇足ですが、安倍の祖父岸信介も首相退陣後、池田勇人の自民党総裁就任パーティで、右翼の荒牧退助に刺されている。統一教会に肩入れした岸・安倍一族の因果な結果(事件)という他ない。岸田も韓鶴子救世主に呼びつけられている。早く「解散命令」を出さなければヤバイですよ。
その②
連合大阪時代のトピックスその2:「大酒呑み」の太田房江(現自民党参議院議員)がはじめて大阪府知事になる選挙戦(2000.2.6)。あの鈴木宗男衆院議員(阪南畜産の北海道利権に浴する)に案内されて太田房江候補者・連合大阪政治担当役員y(故人)らが「食肉の帝王」の浅田満邸を訪問した。選挙支援を求める目的だったが、帰りに100グラム1万円もする食肉を土産にもらってきた。そんな肉は庶民の口に入ることのない超極上のものだ。当時、連合内でちょっとした話題になった。ちなみに、逆のケースであれば選挙違反(買収)だが、訪問先から金品をもらうのは違反ではない。総評時代、浅田の会社=阪南畜産で全国一般が組合を作ったが、組合員全員が「買収」されて、一夜にして潰されてしまった。連合時代になり数年前、ハンチク(旧阪南畜産)で捲土重来を期して自治労全国一般が組合を再結成して闘っていたが、今度は連合大阪が第二組合(2022年、大阪地域合同労組)を作ってしまい、組合が併存する異様な状況になっている。
その③
連合内トピックスその3:自治労の季刊機関誌「自治労通信」がデジタル」化に!「現代の理論」もデジタル化して数年になるが、実際にどれだけの人に読まれているか確実な数値は不明だ。必要な論文はプリントアウトして読まないと。歳を取ると視力が弱くなるし、集中力と根気が無くなるのが弊だ。しかし、自治労も組合員数を大幅に減らしているから仕方ないか。日教組も80万から実数で20万人を割り込んでいると聞く。単組で6万人とJR内で最大だったJR東日本労組は2018年の「スト」を嫌悪した会社側に切崩され、組合が四部五裂、脱退者が続出し、非組の社員が4万人に達した(2021有価証券報告書では同労組は4233人2023年では3267名に)。唯一?単組で発行していた季刊機関誌「セミナー」も発行停止に追い込まれたようだ。国鉄解体に次ぐ不当労働行為事件を目の当たりにしながら、連合は「見殺し」でやり過ごし。すべての現象(病症)は権力と対峙する労働運動が失われた結果だ。労働運動側の罪は大きい。
その④
連合のトピックスその4:人間性、人格批判は論外だが、彼女が委員長を兼任する単組(ミシンメーカーJUKI)の賃上げがゼロ!そしてこのエクスキューズ(言い訳)!・・・この状況下でナショナルセンターのリーダーとして旗を振り続け、組合員・労働者の心に響くメッセージを発信し続けることはしんどいだろう。彼女にこれ以上、無理させるべきではない。関係者の面々は然るべき対応をするべきだろう。連合や単産のトップは「社会的地位」だから、当該者は企業籍を切ってこそその任を果すことができるというものだ。
その⑤
連合時代のトピックスその5:この有名な施設もかっては県の直営施設で労働組合もあった。しかし民間委託によって荒廃し、植松死刑囚によって凄惨な事件に発展する。新自由主義の席巻をとめないと。大阪も橋下の「府市合わせ=不幸せ」政策によって、公共部門は民営化で閉鎖・縮小・労働条件の改悪の合理化の嵐に見舞われたが、連合大阪は自治労の労働組合の闘いを見殺しにした。これに味をしめた維新は、国会議員の定数削減・議員報酬の削減等、国民に耳障りの好い政策を打ち出し、「第二自民党で好い!」として、他の野党の生存を脅かしている。
その⑥
連合のトピックスその6:「連合会長の任期は2年。今年10月が改選期で、通例が2期4年のため、芳野会長の続投は既定路線とみられる。しかし、自民党との距離が近すぎるうえ、「組織の日程を優先できない会長のままでいいのか、という疑問は静かに広がっている」(前出の連合幹部OB)という。」(記事引用)
その⑦
連合のトピックスその7:あろうことか、連合会長芳野友子が万博協会理事、労基法違反の共犯者に!「外国パビリオンの建設が万博開催に間に合わない」と悲鳴を上げ、万博協会が建設労働者の時間外労働の上限規制の適用除外(労基法違反)を政府に要請していた。あろうことか、この万博協会(会長・経団連十倉会長)の理事に連合・芳野友子会長が名前を連ねている(8.1朝日新聞「社説」)。これでは連合は「抗議声明」は出せんわなぁ。芳野連合会長は利権・名誉職漁りの万博理事を即刻辞任し、連合は芳野会長を速やかに解任せよ!労働者を欺き、利益相反の違法行為に加担してしまった。全労働者に謝罪せよ。・・私の懸念通り、彼女は「ガラスの断崖」の突進し自滅した。麻生副総裁との酒の毒が回り、立ち位置が狂ってしまっている。
その⑧
連合のトピックスその8「連合会長芳野友子はなぜ左翼を嫌い、自民党寄りなのか」:私、要も連合大阪やJAM大阪の「できの悪い」役員らから「左翼」と疎まれ排除されてきました。彼らの左翼に対するヘイト、フォビアは並ではありません。三池争議以降の60年代、当時の優秀な中卒の「金の卵」は松下電器やクボタなどの大企業に採用され、会社や同盟の思想教育で右翼労働運動の「闘士」に育て上げられていくのです。彼らは企業エリートのコースは望むべくもなかったので、組合を通じての出世を求めたのです。無産階級の子弟なのに悲しい道を選択したのですが、彼らの小賢しさと会社の応援があってこそできた「組合出世」でした。それがゆえに死ぬまで会社への忠誠心、左翼への敵愾心が捨てきれない。まったくもって、悲しい性(さが)というか、「三つ子の魂、百まで」というか。彼らが連合などのトップ「社会的地位」の就くと、当然にまともな運動ができなくなる。割を食うのは労働者大衆だ。
その⑨
連合のトピックスその9:会長芳野友子が対峙しているのは「ガラスの天井」か「ガラスの断崖」か。「ガラスの天井」とは、資質・実績があっても女性を一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁を指す。女性やマイノリティが実績を積んで昇進の階段をのぼってゆくと、ある段階で昇進が停まってしまい先へ進めなくなる現象。鉄でなくてガラスであるのは「目では見えない障壁に阻まれている」ことからの表現である。反対用語の「ガラスの断崖」とは、企業の経営者や女性の政治家の選挙候補者などについて、失敗する可能性が最も高い危機的状況や不況の時期に、女性が男性よりもリーダー的なポジションにつきやすいとされる現象を指す用語である(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。偏見無しに公平に判定すると、彼女の前にあり続けるのは依然として「ガラスの断崖(崖っぷち)」である。先の会長選では事務局長(自動車)がいち早く手を挙げたがトヨタ(会社)の意向で断念するなど、異様な役選状況だった。推薦で生まれた芳野会長は「ガラスの天井」を破ったとの思い込みも強い。在任中、政府・経団連あげての賃上げ、岸田首相のメーデー招待、麻生や小渕ら自民党幹部との会食、万博協会の理事就任など、政労使の「ネオ・コーポラティズム」もどきの雰囲気も醸し出すパフォーマンスをこなした。芳野会長にとって有利な風が吹き、致命的な大きな失敗もなかった。今回の役選も「誰も手を挙げる者」がいない。再選されるようだが、彼女には未来社会を指し示す資質もなければ、労働者の心に響くメッセージ力も無い。連合に鳴り響くのは弔鐘か、大政翼賛会の号砲か、連合の危機は続く。
その⑩
連合のトピックスその⒑:連合は連合・産別・単組の「三階建ての家」ですが、最も力を持っているのは一階最下層の単組です。欧米との違いはナショナルセンターが人材・財政・統制力がない、「下剋上の世界」になっていることです。単組=企業内組合はユニオンショップによって「メンバーシップ型雇用」が保障された正社員の組織で、会社に対する忠誠心が異常に強い。現代版のブルジョアジーの世界です。その典型がトヨタの労使関係です。彼らは連合を「屁」とも思わず、そのトップの会長など「飾り物」と認識しています。組合の立憲・国民支持はいつでも自民支持に替わるでしょう。その証拠に立憲の現役議員を立候補辞退させたり、芳野会長の自民寄りや続投を支持をしているのです。旧総評系の単産の存在がかろうじて連合内のバランスを維持しているのです。
その⑪
連合のトピックスその11:2008リーマンショック前、貿易黒字の稼ぎ頭は輸送、電機、一般機器の三大機械産業。そのなかでも自動車はダントツだった。リーマンショック後、2009年3月期決算で、そのトヨタの最終損益で創業以来71年ぶりの赤字(▲4369億円)。電機はショック前から危機そして壊滅。鉄鋼・化学などの他の輸出は収支トントン。・・・さかのぼるが、2002春闘「奥田の一喝春闘」、デフレの真っ只中、トヨタは1兆円の史上最高の利益をあげてベア回答を用意するも奥田経団連会長の「一喝」でベア無し回答に。これで「ベア無し春闘」が定着企業収益と勤労者所得の逆相関関係が20年にわたって続くことになる(実質賃金は1997年から下がり続けている!)。いまトヨタは円安基調と消費税の還付で空前の営業黒字!労働界にとどまらず国の中でトヨタの主導権が強まっている。その主導権にトヨタの労組が関与できる?のは、春闘で許された限りでの<労使対立劇>を演じるだけである。
その⑫
連合のトピックスその12:UAゼンセンは傘下労組のストライキだから、当然、動いている。株式の譲渡に伴う企業再編によって従業員の地位は勝手に処分(転籍・譲渡)できない(民法561条・625条)。また労働組合があれば、その同意がいることが法定されている。私も知る古川景一弁護士がついているから法的にはぬかりがないだろう。ゼンセンはストライキ支援は織り込んだうえで、もっと大きな獲物、すなわち親会社セブンアンドアイと取引し、大がかりな組織化もしくは業界の労使関係の改変をねらってているだろう。これからの展開が見ものだ。
その⑬
連合のトピックスその13:UAゼンセンは、そごう西武労組やセブン&アイグループ労働組合連合会と連携しながら、セブン&アイHDの経営陣に対してストに至らない経営判断を求めるなど、ストの回避に向けた後方支援をしていた。ストの影響で全館休業となった西武池袋本店ではアパレルなど加盟組合企業も多く関係することから、UAゼンセンとしてストの全面支援は難しかったとしている(記事より)。また、買収外資フォートレスのもとで、百貨店内の売り場スペースを大きく占めることになるヨドバシカメラの従業員はこれまた同じUAゼンセンに加盟している。上部組織(複合産別)としてのゼンセンは、これからの展開に、スト以上に手を焼く、というか手を出せない立場に立たされる。単純な利益相反のどちらに着くかというトヨタやパナソニックの「企業連」内の単純な対立・選択ではない。喰うか食われるか、新資本主義の企業競争に中で、企業横断的な労働者の闘いにどう連帯していくのか。闘いの歴史を持っているゼンセンは当事者であり指導者であることを忘れてはならない。
その⑭
連合のトピックスその14:ひいきの引き倒しにもならへん!犬と猫は番えないが、経営者と労働者は番えることがある。その見本のような番(つがい)がこの麻生と連合の芳野の関係である。双方とも「恥」とも自覚なし。芳野やその取り巻き連中は反省もしていない。労使関係の成熟というよりは腐臭を放つ爛熟だ。「自民党と芳野会長が一緒になってやった結果、3.58%の賃上げができた」(麻生談)。
折から、アメリカからのニュース。全米自動車労組(UAW)が経営者報酬に対応した40%超の賃上げ要求、これに対して各社回答が14~16%。14日までに妥結できなければ最大15万人がストライキに入る(9/13朝日)。賃上げもケタ違いだが、しっかりと闘っていることが衆目によく見える。マスコミに官製春闘や官邸春闘と何時まで言わしめるつもりや。
その⑮
連合のトピックスその15:「空打ち」のストライキはない まずは当該のそごう西武のストありきで、同業共闘(旧商業労連)が連帯行動をとったことが大きい。ではそのストライキの成果・効果やいかに。時間・空間をこえて、当該労使をこえて光を発し、そして今回の買収劇は関係者の想定外の展開を見せてくれるだろう。
その⑯
連合のトピックスその16:「こんな人事をするのは、国民の批判なんか気にしないという宣言と同じ。頭が悪いのか人間が悪いのかのどちらかです。岸田さんにはこの国を任せてはいけないということがわかります。万死に値する人事です(9/16古賀茂明Twitter)。矢田稚子(元国民民主党参議員議員・電機連合)を首相補佐官とする人事。連合内では驚天動地の様相を呈しているが、野党側からすれば、「悪手」の人事でもない。連合は、この際、野党共闘の障壁となっている国民民主との関係を切れるチャンスだ。彼女は昨年7月の参院選比例区で16万票も取りながら落選した。立憲であれば二人当選するほどの得票だったが、国民民主の候補であるが故に落選した。私の推測では(国民民主の意向と言うよりは)岸田か麻生の「一本釣り」に彼女の欲が応えたとみる。次回選挙では自民党議員として報われることに賭けたのだろう。玉木代表も無節操だが、彼女はその上を飛んでいる。野党は「野党共闘」形成を急ぎ、総選挙に備えるべきだ。
その⑰
連合のトピックスその17:結局、矢田稚子氏は高卒女子の苦労人、単組(パナソニック)役員の上昇志向の、「ガラスの天井破り」自認の芳野会長と同じタイプだった。首相補佐官就任のアプローチは、官邸筋会社組合電機連合連合だったが(9/16連合会長記者会見)、これ以前の水面下の動きとしては、矢田本人への働きかけ本人承諾が当然にあった。驚くべきは読売新聞の暴露。「岸田首相の組閣案には国民民主の一名入閣があったが、連合など(要注:などは「自・公」だが顕名はなぜか伏す)から反対もあって実現できず」と報道。何のことはない、矢田就任の件は芳野会長に事前打診が為されていたのだ。芳野会長は9/16記者会見(動画)で「連立参加はありえない。連立すれば連合が割れる可能性も」などと述べているが、当該トップとしての怒りがない。別掲動画の毛ば部とる子氏は「芳野の自己実現のために旧民社の右を引き連れて自民党に行きたいのでは」とまで言わしめている。総選挙の前後に大山鳴動するかも。
その⑱
連合のトピックスその18:リベラル党はそれこそリベラルに大同団結し、ナショナルセンターを基盤にしてこそ自民党に対抗できる。リベラル的団結のなかで、自民党寄りのリベラル、共産党寄りのリベラルと言うか、「左の右」や「右の左」や言うて善良な人民を惑わしてはならぬ。私は総評時代は「二本(日本)社会党」で苦労してきた。連合時代は「4~5本民主党」で苦労させられてきたが、いまや、連合組合員とりわけ大企業組合員の政党支持は自民党支持が大勢となっている。「矢田わか子」事象はその小さなエポックで、もっと大きな地殻変動が連合の組合・組合員の中で起きているのかもかも。だから、暗愚の首相が支持率が落ちても安穏としていられる。
その⑲
連合のトピックスその19:連合結成=労働戦線統一で、労働運動はどう変わったか
・労戦統一は「内なる闘い」:論争「なぜ労戦統一は必要か」
・労戦統一は新たな分裂と産別再編の始まり
・連合結成時の熱狂と今日の停滞(①組織率の低下②交渉力の低下③争議の激減④求心力の低下)
<ex1>「派遣が増えたら労組が弱体化、労働運動が廃(すた)れたら労働省も小さくなる(厚労省に吸収)」(2008.8.15朝日、村山元首相)
<ex2>「顔合わせ、心合わせ、力合わせ」(連合結成のスローガン)・・・顔合わせはできても心合わせ、力合わせができていない。この30年余で失ったものは大きい。分裂と統一の歴史を検証し、反省することなしに過ごした。責任の所在、自己批判もなく、それを曖昧にしたままで『攻めの運動』をやろうとしても本当の心合わせ、力合わせができてないので到底無理」
<ex3>「疑獄、汚職事件もただ酒をご馳走になる習慣から起きる」(京大瀧川学長の式辞)、「ただ酒には大きい落とし穴が、ただゴルフも大変危険であることを肝に銘じ、けじめを失うな」(京大井村学長の式辞)
―――続く。
その⑳
連合のトピックスその20:これを見て、今の連合の芳野会長は反ストライキ主義者だから吐き気を催すか、チビるだろうな。・・・「私たちはUAWと労働運動全体に闘いを取り戻そうと闘っている」とフェイン会長は言う。「勝つためにストライキをする用意のない労働組合は、片手を後ろに縛られた戦士のようなものだ。ストライキという武器がなければ。、労働者は一方的に負けるだけだ。何十年もの間、同じことが繰り返されてきた。すなわち、無制限の企業権力による労働者の力の喪失である。その結果、社会全体に大きな不平等が生じている。力の均衡を取り戻すためには、ストライキを復活させなければならない」(記事中)
その㉑
連合のトピックスその21:連合会長も参加した「新しい資本主義実現会議」が、賃上げを成長の軸にするてか
連帯が競争に負け、分断と格差が顕在化した。低賃金が構造化された三つの問題。一つは労基法などの改悪で「賃金の女性化」と「労働時間の男性化」が進んだ。二つ目は雇用の劣化(派遣・有期などの非正規、個人事業主・偽装請負など)が進んだ。三つ目は多層の下請・分業の産業構造(ピラミッドの底辺、30人未満の企業の人件費は付加価値構成の90%を占める)で企業間格差拡大。非正規労働者は40%超を占め、100人未満の企業の組合組織率は1%以下。非正規は「団結・連帯」を考える時間・体力・金銭的的余裕がない。零細企業の労働者は「組合を作ったらウチの会社はもたない」と考えている。かれらは労働組合の「不毛地帯」で生きる。解雇・賃金不払い・差別・パワハラ、多様な労働相談は年間100万件超の高水準が続いている(労働局・労基署集計)のに組合結成には至らず、首切りや倒産、そごう西武のような企業再編が起きたときに組合加入を決意してユニオンに駆け込んでくる。このほか、日本には労働運動の陥没没地帯(民間大企業)、労働運動の封じ込め地帯(公務員)という荒野が広がっている。失われた30年余、下がり続けた実質賃金、落ち込むことすらあった異常な名目賃金。ぺんぺん草も生えない労働土壌、ストライキを忘れた労働組合、スト嫌いの連合会長も参加した「新しい資本主義実現会議」が賃上げと成長の構造化を打ちあげているが、その処方箋を本当に出せるのか。成長は少子化で終わっているし、闘わない労働運動と組んで、低賃金構造を切り崩せるのか。総選挙向けの、官製ヤルヤル詐欺に終わるのではないか。
その㉒
連合のトピックスその22:Amazon配達員の個人事業主に初の労災認定
日本労働弁護団の棗一郎先生が担当されたのですね。おカネにならない労働事件専門の棗先生の特集記事を何処かで読んだ記憶があります。「お金にならないからやらないとか、勝てないからやらないとか、当該労働者がやる気がないからやらないとなると、権利は目減りしていく一方。何とか儲かって、労働者もやる気が出る方法を考えて大量に提訴すれば、勝てるようになるのではないか」、私の敬愛する村田浩司弁護士の言葉です。彼は、パナソニック(連合大阪会長企業)の偽装請負事件の当該労働者(一人争議)の代理人でした。大阪地裁で負け、高裁で逆転勝利、最高裁で負けの悔しい展開でした。「雇用のない経営」で個人事業主を使い倒していたAmazonに正義の鉄槌下る。これを突破口に
その㉓
連合のトピックスその23:岸田の大会出席は野党分断と労働者票の簒奪連合は政権のちょうちん持ちを止めよ生活苦の怨嗟の声に向き合え
厚生労働省が9月8日に発表した7月の毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比2.5%減少しており、16カ月連続のマイナス。春闘の賃金のアップが物価上昇に追いついていないという実情を示しているといえる。そんな状況下で“経済の新しい息吹”というまるで生活が上向いているかのような岸田発言に、SNS上では批判の声が殺到している。
《岸田文雄の感じる「経済の息吹」とは、自分とズブズブである経済界にとっての利益であり、一般の国民は蔑ろにされ、格差が拡大する状態だ。》
《岸田さんが30年ぶりに感じている「経済の新しい息吹」って・国民のため息 ・国民の悲鳴なんだよ》
《ちょびっと給料は上がったけど、物価高で、どこに消えたのかわからない 国民の生活水準は、悪化の一途。異次元の政策って言うけど、岸田総理の頭の中こそが、理解し難い異次元空間》
《国民として言わせてもらえば1つも光は見えない!未だ暗闇の中ですよ しかもどんどん酷くなってる 寒冷地はこれから長い冬が来るというのにね》(「女性自身によるストーリー・4時間」引用)
その㉔
連合のトピックスその24:何年の定期大会で「反自民・非共産」「親自民・反共産」に方針転換したのか、明らかにせよ。そんな方針書は承知してない。もう一つ、立憲も国民も「反自民・非共産」の「連合リベラル」の枠内で再団結すること、一緒にやれない議員は去ればよいのでは。過去は百合子に分裂させられたり、現在は岸田に矢田わか子を首相補佐官に拉致されたり、・・一昔前、連合大阪で躍動した「連合リベラル」の原点と言うか枠内に回帰するべきだ。しかしリベラリズムとは、自由民主党の「自由」とは違(たが)え、また鈴木宗男のように自由に飛跳ね、勝手気ままができるというわけではない。労働者全体の利害を代表するものでなければならない。
その㉕
連合のトピックスその25【なぜストが打たれなくなったのか】: そもそも何(根拠・基準)を以って、会社回答を「限界回答」(これ以上上積みできない上限回答」)と判断するのか。要求と同時にスト権を確立し、回答日(3月中旬)の回答が不満であれば闘争体制(旗揚げ・残業拒否ストライキ)に入る、が王道と言うか正道である。最近の春闘は、回答日から1か月前後で決着する「短期春闘」だ。その実を上げるためには、通常、「おしゃべり団交」だけでは、実質賃金を維持するため最低限要求「定昇+消費者物価上昇率=5%以上」を勝ち取ることはできない。要求を貫徹するためには、団交+アルファの取り組みをしなければならない。最低限要求が取れなければ、その不足分は身銭を切って会社にボランティア労働することになる。これを組合員に納得させることは至難の業だ。そこで執行部は、団交+アルファの取り組みの「アルファ」が問われることになる。大手の一発回答には年間6ヶ月の「満額回答」がアルファの役割りを果しているのだろう(賃上げの不足分を一時金で補填!)が、中小では年収の半分(6か月分)もの一時金は望むべくもないし、中小の執行部はどうやって組合員を説得と言うか泣かせているのだろうかと不思議だった。労働者も中小企業を選んだのは自分、つまり「自己責任」と観念し、あきらめているのだろうか。史上空前の実質賃金の低下とストなし春闘が20年余も続いている、日本の労働界。権利はあっても使わない、労働者は「物言わぬ農民」(大牟羅良)と同じになってしまったのか。
<結論>階級社会が存在していてるイギリスと違って、日本は組合役員OBが会社役員になる社内システムが完成している。昔、全国金属であり、不祥事を起こしたオリンパスは委員長が社長に、書記長が専務に「出世」していた。大手から中小までこのシステムが出来上がっていて、とりわけ中小では、労使融合型もあれば、ヨーロッパの「工場委員会」の変形型もある。これではストライキは望むべくもない。
その㉖
連合のトピックスその26【なぜストが打たれなくなったのか】:
階級社会が存在していてるイギリスと違って、日本は組合役員OBが会社役員になる社内システムが完成している。昔、全国金属であり、不祥事を起こしたオリンパスは委員長が社長に、書記長が専務に「出世」していた。大手から中小までこのシステムが出来上がっていて、とりわけ中小では、労使融合型もあれば、ヨーロッパの「工場委員会」の変形型もある。これではストライキは望むべくもない。
「昔陸軍、今総評」と言われた時代。総評がゼネスト(2.1や4.8が有名)を打ち、産別は統一ストを打ったが、会社側はこれを受忍したので単組は個別ストを加重して打たなければ上積み回答を引き出せなかった。
その㉗
連合のトピックスその27:【今日の国連と連合、よく似てる】国連と国家、大国と小国の関係を咀嚼し、単純化してみたのですが、連合と単産、企業別組合の関係ととてもよく似ている。国連は主権国家に支配介入できないように、連合は「単産自決」を名分に単産に支配介入できない、単産は「単組対応」を名分に企業別組合に支配介入できない。国連から脱退も自由だが、連合から単産が、単産から単組が脱退するのも自由だ。そして、原発や政治課題などの重大な取り組みは三役会議(連合の「安保理」)で一致しなければ取り組めない。三役の産別には拒否権が認められているのだ。結成時はともかく、今日では連合会長職もブルシットジョブと言うか、ライオンズクラブの会長と大して変わらない。誰も手を挙げて迄なりたくない名誉職みたいなもの。そういえば国連トップの事務総長も昔ほど権威がなく、紛争調停力もない。連合会長もゼンセンと自治労の領土戦争(大阪・北海道)にはアンタッチャブルだ。世界の国連、日本の連合、実に驚くほどよく似てきている。難民が可哀想なように、非正規が可哀想。日本には公務員でありながら「公務非正規」という形容矛盾の存在、世界唯一の稀少種労働者がいる。
その㉘
連合のトピックスその28:2024年、来春闘の連合要求は「5%以上」の趣旨は既に芳野会長発言によって値切られている。今朝10/28朝日新聞「社説」のなかで、「今春闘の実績(3.58%)以上を目指す」と早くも本音を語っている。要求の二重基準はない!これでは「建前」としての要求の意義すらない。傘下労組は交渉の駆け引きの余地すらない。40年ぶりのエンゲル係数の悪い数値と17ヶ月連続の実質賃金の低下を前に、連合はウソでも空前の物価高にあえぐ労働者人民の味方を演じられないのか。孫埼享さんの懸念するように、体制側の「反体制側職業人」という利益相反を本気で行っている。連合の弔鐘が鳴り始める!
その㉙
連合のトピックスその29:全米自動車労組のストライキ、向こう4年半の間の25%の賃上げ勝ち取る。ストライキの威力を改めて見せつけた。日本の1974春闘では広範なストライキを背景に30%の春闘相場をたたき出した(それでも、高物価で9月には実質賃金はマイナスに!)。今春闘では30年ぶりの高賃上げ(定昇込みの5.38%)と政労使とも「構造的賃上げ」とはしゃいでいるが、実質賃金マイナスが17か月以上続き、労働者は未曾有の物価高で呻吟している一方で、円安で4兆5000億円の史上最高の営業利益を出したトヨタ自動車等輸出企業が円高で「我が家の春」を謳歌。このコントラストの落差を埋められない政治の不作為と労働組合の無力の何たるや!おしゃべり国会とおしゃべり団交だけでは何も変わらない
その㉚
連合のトピックスその30:「ユニオン幹部・活動家養成講座テキスト」の再補充、とりわけ「連合運動」について必要と考えている。
その㉛
連合のトピックスその31:【なぜ、連合のリセット願望の声が上がらないのか】企業籍「JUKI(ミシン)」を持つ現役の単組委員長が(総評・同盟や連合といった)ナショナルセンターのトップを「兼任」するということは、芳野会長が初めてではないか。NCのトップは企業籍を切るか、プロ専従が歴史的に担ってきた。その理由は誰でも理解できる、単純明快だ。所属企業のあらゆる制約からフリーな立場で、労働運動の社会的役割発揮をならしめるためである。加えて総評では、いつでもゼネストを指導かつ実施できる単産出身が資格要件となる。これは単産の委員長要件でもある。ストもできない単組の委員長では立候補もはばかるし、当然他薦もない。以下は、芳野会長の責任ではないが、ミシンは衰退産業だ。全国で20~30社はあったが今では淘汰されて数社くらいではないか。23春闘でストはおろか賃上げゼロの出身単組委員長が、これから先、傘下労組にどの面さげて「5%以上」の賃上げを要請できるのか。連合役員、構成単産が「まともな賃上げ」を行なう意思がないから、こんな「ふざけた配役」ができるとしか言いようがない。傘下組合員そして国民をもあざむいている。ここからは「あざとい連合役員ー不憫な会長」という構図が見えてくるのは私だけだろうか。現世から隔絶したというか、偏狭な世間という連合。リセット願望の声が上がらないのも不思議だ。
その㉜
連合のトピックスその32:【11月15日日経新聞】ご意見、ご主張としては正しいことをおっしゃっていますが、連合のように「言うだけ」「書くだけ」では現実に何も変わりません。大から中小まで協調(御用化)せざるを得ないシステム(制度・慣行)が定着・機能している。そのシステムとは、従業員持株制度・企業年金・人事処遇制度など。課長から社長まで組合員OBが占め、大企業では書記長OBでも子会社社長に天下っている。これが異常なことではなく「正常」なこととして行われ、これを批判する側が「異常」とみなされる。まさに企業内労使関係は様変わり、私等とは180度真逆の世界だ。どないして、内部から変革できる?
その㉝
連合のトピックスその33:【連合のヤル・ヤル詐欺を卒業せよ】岸田の、持続的・構造的賃上げはひとえに経団連にかかっている。中小や非正規・派遣の賃上げを実現するためには、最賃の世界水準化、価格転嫁、下請けいじめの取り締まり(公取の咬む番犬化)、そして連合は大企業正社員組合の賃上げはほっておいて、(産別自決などと逃げないで)中小や産業別の足並みをそろえる努力に傾注すべき。暦年の「ヤルヤル詐欺」を卒業しなきゃ。確かな賃上げ事績をあげて、雀の涙ほどの連合本部費を値上げしなきゃ。よい人材が連合役員に上がってこないよ。
その㉞
連合のトピックスその34【連合の人畜無害な、クソ談話】イスラエルの過剰報復の先例としてあげられるのはアメリカの原爆投下だ。人々が復讐の女神(ネメシス)を崇めるようになると、「非戦闘員に対する爆撃は野蛮で邪悪な行為だ」とする永年の意識は消え去り、相手の行為との「均衡」という交戦法規の理念を守る姿勢もなくなる。そして原爆投下。そもそも日本は戦闘員と非戦闘員の区別など無いと叫んでいた。「一億総特攻!」「一億玉砕!」つまり自国の老若男女、女・子供までも戦闘員とみなした。天皇は臣民(国民)つまり赤子(せきし:天皇の子)を自ら殲滅死に曝したのだ。アメリカに原爆投下の人道の罪も問えない。逆に天皇は人道の罪に問われ、死ぬまで共産圏を外遊できなかった。ちなみにオサマ・ビン・ラディンはメッセージ「アメリカ人へ」の中で、ヒロシマ・ナガサキの原爆投下を痛烈に批判している。
その㉟
連合のトピックスその35【円安で外国人労働者不足に】デフレ下の労働力不足が常態の介護、建設、漁業、農業などの業界は、円高でさらに外国人の労働力不足に直面して苦しんでいる。テレビ報道では、供給国のインドネシアなどの出稼ぎ労働者は賃金のより高いカナダや西欧に向かっているという。輸出でぼろ儲けしている自動車などの輸出産業優遇の「円安」政策を転換し、国内産業のゆがみを是正したら。まずは、利権とつながった自民党への企業献金を取り締まらなきゃ。力のない業界は、献金の多い医師会や自動車工業会の引力(利権)に負けてしまう。
【賃金の国際的法則】すべての資本主義国家は、自国における労働条件を低下させようとする。①自国から、より低い労働条件の国々へと資本が流出する(産業が空洞化し雇用が減少する)のを防ぐためと、②自国より高い労働条件の国々からの資本の投下を求めるためである。これが一方の大きな流れである。
しかし、すべての国々で際限なく労働条件を低下させることができるわけではない。労働者の抵抗によって労働条件を一定以下に引き下げることが困難な国々は、より低い労働条件の国々に対して自国の労働条件を強いようとする。これが他方での大きな流れである。後者の流れが弱いのが問題、労働者の国際連帯が大きく後退している。